<現在はDortmunder Actien Brauerei と統合>
Dortmunder Union Brauerei(ドルトムンダー・ウニオン・ブラウエライ)とはかつてドルトムントに存在した醸造所。
醸造所の歴史は1844年創業のHausbrauerei Wilhelm Struck。ドルトムント中心部で開業した後、1870年にDortmunder Löwenbrauereiと合併した。その時、 Dortmunder LöwenbrauereiのブラウマイスターだったのがFritz Brinkhoff(フリッツ・ブリンクホフ)。ドルトムントで今日でも愛されているピルスナー「Brinkhoff’s Nr.1」のラベルに描かれている人物である。
その後、1994年に郊外にあるDortmunder Ritter Brauereiと合併したことにより、郊外へ移転。さらに2006年にドルトムントのDortmunder Actien Brauerei(DAB)との合併で生産はDABに集約されてしまい、醸造都市ドルトムントの醸造所が1つになってしまった。
写真左:Lüdgen地区にあった頃のDortmunder Union Brauerei。(1998年に撮影した写真のスキャン画像)
写真右:なんと名古屋の鉄道博物館の模型コーナーに、Unionの貨車が!
ドルトムントというと「Export(エクスポート)」の名前ばかりが有名であるが、市内で飲まれているビールは、それが区分上はExportかもしれないが市民からは「Pils」と呼ばれている。(僕の周辺の友人達だけかもしれないけど・・・)
写真左:Fritz Brinkhoffが描かれたBrinkhoff’s Nr.1のコースター。
写真右:Unionが醸造していたSiegel Pilsのコースター。
RitterのビールはExportがメイン。もちろん輸出が多いので基本的には瓶ビール。
店でタップから出されているのはほとんど見たことがない。おそらく市内の一部エリアのみで販売されていたと思われる。
写真左:Ritter Export。エクスポートの樽ビールというのは、市内では存在しない。
写真右:Ritter Firstという名のピルスのコースター。
ドルトムントのシンボルとしての存在
すでに閉鎖されて何年も経つのだけれど、未だにその醸造所跡の頂きに聳える「U」の文字はドルトムント市民のシンボルとして存在している。
その他、各種イベントに使用されるWestfalen Halle(ヴェスト・ファレン・ホール)の上にもこの「U」が載っている。
なお、この旧醸造所が面している通りは前述のブラウマイスターの名を冠してBrinkhoff Str(ブリンクホフ通り)と名付けられている。
写真左:
僕がドルトムントに住んでいた頃、1997年に撮影したスキャン画像。
この頃は閉鎖されて放置されていた頃で、窓ガラスは割れて壁には落書きがすごかった記憶がある。それでも「U」は輝き続けていた。
写真右:
現在の姿。個展やグループ展などの文化活動スペースを中心としたカルチャーセンター的な施設として活用されている。
輝く「U」の土台部分にはモニターが埋め込まれ、様々な映像が流れている。
この部分そのものがアートらしい。
■Dortmunder U
<公式WEB>
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