Keller(ケラー)〜地下室という名の庭園(その2)〜

(その1)の続き

本来「地下室・貯蔵庫」という意味のあるケラー(Keller)が、ビアガーデンも意味する。ただし、これはドイツ全土という訳ではなく、当研究所がメインのフィールドとしているバイエルン州とその周辺で多く使われているようだ。

Type1 敷地内型

都市部ではなく郊外の集落にある醸造所では、敷地内の裏山にケラーがあり、暖かい季節はそこがビアガーデンとしてオープンしている。
このタイプの一番のメリットは、ビールが全く輸送されていないこと。
醸造所で作られたビールはそのままケラーで貯蔵され、敷地内の店舗やビアガーデンで消費される。
なお、規模が小さい醸造所ではこれほどの規模のビアガーデンは持たず、中庭に椅子を並べる程度のテラス席を設ける程度で、専用の販売窓口などは設置しないことが多い。

写真左:斜面に作られたビアガーデン。
写真右:裏山の斜面に作られたケラーへの入口兼ビールの販売所。
(Brauerei Hönig / Tiefenelei→研究所内詳細ページ

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Type1B 都市型ケラー(大都市の例)

同じ敷地内に作られるケラーでも、都市内部においてのそれは下へ下へと向かっていく。
地下のケラーの一部は、ビアホールとして利用されていることも多い。そして地上部分はビアガーデンとして整備されているのだが、そのビアガーデンに行く人々はこれを「ケラーへ行く」と表現する。

写真左:ミュンヘン郊外にある超有名醸造所Weihenstephan。
写真右:ビアガーデンも美しいのだが、直営レストランの下にはStephanskeller(シュテファンズケラー)があることを忘れてはならない。
(Bayerische Staatsbrauerei Weihenstephan / Freising →研究所内詳細ページ

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Type2 近場設置型

醸造所敷地内はそれほど広くない、または深い地下室が掘れないなどの理由で、醸造所の敷地のすぐ近くにケラーを置く醸造所は結構多い。
そこに置かれたビールをまた店舗へ運び入れる必要もなく、お客さんにとっては気持ちの良い屋外でビールを楽しめると、両者にとってハッピーな結論となる。

規模の小さな醸造所では、ケラーを開店している期間中は社員(家族)総出でケラーの運営を行うため、本店である醸造所のガストホフは「一時閉鎖」。
規模の大きな醸造所では、ケラーの開店時期は臨時スタッフを雇ったり、またそもそもケラーは別経営にしてあり年間経営をしている場合もある。

写真左:150m先にケラーがあることを示す看板。
写真右:ケラーは森の中にある。山の上からアクセスするスタイル。
(Braierei Griess / Geisfeld →研究所内詳細ページ

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写真左:裏山に掘られたケラー。
写真右:ケラーの前に作られた常連席でビールを楽しむ人々。
(Brauerei Roppelt / Trossenfurt →研究所内詳細ページ

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