ドイツの朝食
「朝食は重要だ」と考えるのは日本人もドイツ人も同じ。
朝からガッツリと時間を掛けて食べるのかと思いきや、ドイツでは朝食に時間を掛けず、さっさと片づけて仕事を始める(・・と一般的に言われている)。
特徴的なのは、午前10時頃にちょっと長めの休憩時間があることだろう。
この時間に何をするかと言うと、二回目の朝食を食べるのだ。
会社員も学生も、鞄の中には密封式の弁当箱が忍ばせてあり、そこにはハムやチーズを挟んだパンや、リンゴやバナナと言った果物が入っている事が多い。
コーヒーを入れて同僚や同級生達と談笑しながらの午前休みは、実はドイツにおける高い生産性を維持する重要な時間かもしれない。
朝の2回とも簡単な朝食で済ませるドイツ人。全く朝食に無頓着な国民なのかというと、そうではない。ドイツ旅行の最中、朝食の時間は実に楽しい時間を提供してくれる。
ホテル、ガストホフ(宿屋)などで食べる朝食
旅行者が朝食を食べる機会を持つならば、まずはホテルやガストホフなどと言った宿での朝食だろう。
これには大きく分けて定食型とバイキング型の2つのタイプがあるのは日本と同じ。
■定食型■
一人分、または人数分の朝食がそれぞれ皿や籠に盛られているタイプ。
小規模なガストホフに多い。場合によっては宿泊客は自分一人なんて事もあるから、宿側も無駄なく朝食を準備するという事情もある。
■バイキング型■
比較的宿泊人数の多い宿や、規模が小規模でも従業員1〜2人で対応する宿だと、さすがに全員分を取り分けるのも面倒なのでバイキング形式となる。
同じバイキングでも、その内容は様々。
パン以外に、ハム、チーズが数種類ずつと言ったシンプルなバイキングもあれば、それらに加えて揚げ物、シリアル類、アイスクリーム、さらにはスパークリングワインまでズラリと揃ったバイキングも。
家庭で食べる朝食
友人宅を泊まり歩く僕は、そこで朝食をご馳走になる。
テーブル一杯にハムやチーズ、そしてジャムの瓶が並んでいる。ジャムの多くは友人のお母さんの手作りだそうだ。
籠に盛られているのはBrochen(ブロッヒェン)と呼ばれるパン。これはドイツ西部のドルトムントの友人宅であるが、各地方によって、その形が変わる。ミュンヘンはじめ、南ドイツ地方で一般的に食されているSemmel(ゼンメル)と呼ばれる丸いパン。
どちらのパンも、「外はカッチリ中はしっとり」タイプで実に美味い!
このパンを横に切っていろいろ挟んだりジャムやパテを塗るのが基本的な食べ方。
パンは近所のパン屋で買ってくる。毎朝買ってきたばかりの焼きたてを好んで食べる人は多いので、都市部だとどの家でも徒歩5分くらいの所にパン屋が存在しているのは凄い!
天気の良い休日は庭にあるテーブルで食べる事も多い。
友人を招待することも多いのだが、
「朝食でも一緒にどお?」と言われて8時半頃に行くとまだ寝ている。笑
この場合はブランチを指しており、大体10時半から11時頃にスタート。
僕の中で一番長かった「朝食」は11時に始まり、その後ビールが入り、サッカー中継も観ながらBBQが始まり、23時過ぎに終了した。笑
日曜日のパンという商品
Bamberg近郊の知人宅での朝食。
もちろんパン屋は休日には休む。
しかし、休日でもしっかりとした暖かいパンを食べたいという人はかなり多い。
このゼンメルはパン屋の物ではなく、自宅オーブンで焼ける冷凍物。これを”Sontag Brochen”(日曜パン)と呼ぶ。
冷凍の状態でオーブンに入れるとパンがどんどんと膨らんでくるのを見ていると面白い。
日本人がご飯をレンジでチンする感覚に近いが、ビジュアル的に楽しめるところがGOOD!。
パン屋で食べる朝食
パン屋はもちろんパンを売っている所であるが、店内には飲食用にテーブルが置かれている場合が多い。ただし、スタンド式がほとんどであり、ドイツ人サイズであるがゆえにかなりの高さのテーブルだ。
店内では、コーヒーが販売されており、パンの会計時にコーヒーも一緒に注文する。
肉屋で食べる朝食
実は、肉屋は気軽に入れる飲食店のひとつ。
日本の肉屋も同様であるが、ドイツの肉屋でもお惣菜を売っている。
焼きソーセージ、茹ソーセージ、レバーケーゼなど、肉屋自慢の逸品の他、フライドチキン、シュニッツェル(ドイツ風豚カツ)などの揚げ物、そしてポテトサラダ、オリーブ漬けなどなど。
そして、これらをパンに挟んでテイクアウトができる。
醸造所レストランで食べる
醸造所に併設されたレストランは朝から営業している所も多い。
宿を併設している醸造所では、宿泊客の朝食時間から営業を開始している店も多い。
朝とは言え、そこはビールを醸す場所。
よって、営業開始は当然ビールの開栓も行われてる事がほとんど。
ゆえに、ついついビールを注文してしまう午前8時・・・。