隣の小集落Rossdorf am Forest=ドイツビール紀行2006(その7)=

前回の続き

■Rossdorf am Forestへ

2軒空振りをしたGeisfeldを離れて畑の中の一本道を進む。
今年の冬は長く、4月下旬までかなり寒い日々が続いたらしい。例年ならば真っ黄色の菜の花畑では、蕾を付けたその開花の時を待っている。
Geisfeldは丘の上にあったため、ここからは緩やかな下り坂が続く。

坂が終わりは小さな集落Roßdorf am Forestに到着した。

森に囲まれている訳ではないが、小さくて美しい集落である。
ここには一軒の醸造所があり、街の外れにはこの醸造所が経営する美しいビアガーデンもある。


ちょうど昼食を迎える時間なので、食事もしようと思う。
まず席に着く。空は雲一つない晴天なので、客のほぼ全てが外のビアガーデンにいる。
まだ満席にはなっていなかったので、大きなパラソルのあるテーブルに腰掛けた。

何人かの客と目が合ったので、軽く挨拶をする。
「Gruß Gott!」

この地方のビアガーデンでは、基本的にビールはセルフサービスである。
入口横にはビアガーデンの客用に造られた窓があり、そこに首を突っ込んでオヤジさんを呼ぶ。

「ビールは何がありますか?」
「今日はピルスだけだ。ヴァイスならば瓶であるよ」

「じゃ、まずピルスをください。その次にヴァイスを注文しますよ。」

「食事もしたいのだけれども、表に書いてある黒板のメニューが読めないんだけど・・・」
というと
「どれどれ・・・・」
と店から出て黒板を読み始めた。
概して、ドイツ人の書く文字は日本人には読みにくい。みんなくせ字が凄く、一見象形文字のようにも見える。

「これはウィンナーシュニッツェルだ。えっと、あそこの人が食べてる」
と客を指さす。

「これは牛のステーキ。あのパラソルの下で一人で座っているオジサンが食べてるヤツだ」
「これはソーセージプレートで・・・・」
とビアガーデンを見回していると
「オレが食べてるよ!」
と客のほうから声を掛けてきた。

ビールを飲みながら席で待っていると、オヤジさんがシュニッツェルを運んできた。
「Gute Apetit!(さぁ、召し上がれ!)」

■集落外れのビアガーデン

Roßdorf am Forestの集落内を進むと、ビアガーデンへの看板があった。
先ほどの醸造所が所有するビアガーデンで、自然の段差を利用して造られた洞窟と、その上に建てられた小屋がある。

周辺にはテーブルがズラリと並んでおり、小屋の横にある階段を登れば、子供達が楽しめるように遊具が置かれている。
残念ながら夕方からの営業で、今回はここでビールを楽しむことが出来ず。

周辺には菜の花畑が拡がっている。
場所によっては遅い春の訪れのためまだツボミだが、ここではかなり咲いていた。

5月のドイツは本当に美しい!!

次回へ続く>>

ドイツビール紀行2006概要