バイエルンの小都市Hof(ホフ)=ドイツビール紀行2002-2003(その2)=

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ミュンヘン東駅近くに泊まっていたが、早朝にミュンヒェンを発ちフランケン地方最奥部のHof(ホフ)へ向かった。
ミュンヘンからホフまでは約300km。
日帰りでいくような距離ではないが、ドイツ鉄道乗り放題の「German Rail Pass」を持っていたため、高速列車ICEで往復すれば問題ない、と出発した。
(2020再編集時の注釈:この頃はまだ20代半ばだったので、そういう無茶を平気でやった。現在はのんびり派だから絶対にこんな旅程は組まない)

Hofは前々より訪れたいと思っていた都市であったため、朝から気分が乗る。
駅で調達したクロワッサンと車内販売のコーヒーで朝食。
普段はこんな写真は撮らないが、何故か撮ってしまった。
(2020再編集時の注釈:食事の写真はデジカメ以前はとても難しかった)

写真左:朝食とレイルパス
写真右:空が明るくなってきた様子。午前8時過ぎ。

ニュルンベルクで20分の乗り継ぎ時間で乗り換えるつもりでいたが、途中人身事故の為30分以上も停車してしまう。
結局40分程の遅れで到着し、乗り継ぎ列車を逃してしまう。最終的にHofに着いたのは、予定時刻より1時間遅れであった。

ホフの街。何も情報がない。
ガイドブックもない、ただドイツビールマップだけを持っていた。
駅で地図を調達し、ビールマップに書かれた住所を探してペンで書き込む。

写真左:Rathaus(市庁舎)
写真右:Hofの中心部にある教会

まずはPrivatbrauerei Scherdel Hofへ

1831年創業の老舗であるが、古くからの醸造所の道を挟んで反対側に新しく、巨大な醸造所があった。両方はつながっているらしく、古い醸造所から直接道を跨いでコンベアが設置されている。
ちょっと高い所にある古くからの醸造所。
残念ながら飲める場所が無かった。
さらに悪いことに、日曜だったため町中にも飲める店が開いていなかった。

(2020年注釈:こういうことを空振りと呼ぶ。まだGoogleマップも無い時代はこういう事がよくあった。電話をしていけば良かったのだが、外国での電話はどうも苦手で・・・)

続いて訪れたのはZeltbräu。

Scherdelから少し歩いた所にある醸造所。
ビアガーデンを併設しているようであるが、この時期は開いていなかった。
近くを通りかかった老夫婦に声を掛けると、昔は30軒ほどの醸造所があったが、今は4軒しかない、と嘆いていた。

さらに、この坂の下にもう1軒あることを教えてくれた。

教えられたMeinel Bräu。

醸造所はZeltbräuの直ぐ近くにあったが、ビールを飲むために直営のレストラン・パブ(Ausschank)へ。

Meinel BraeuのDunkel Lager。
この際に注文した牛肉を焼いたモノにブラウンソースをかけた料理は、他に比べて安かったので注文したら、巨大な皿で運ばれてきた。(写真紛失)

駅前パブでビールを一杯

朝列車が遅れたのと、Meinelの若旦那と話し込んだことで時間が無くなってしまった。
Bürgerbraeu Hofへ行きたかったが、醸造所が少し離れておりちょっと無理そう。
せめてビールだけでも飲んでおこうと、このビールの看板を掲げている駅近くにあるGaststette(パブ)へ行ってみた。

店員がいないのでおかしいなぁ、と思っていたら、カードゲームに熱中している中年女性がどうやら店主らしい。
Von Fass(樽から)で飲みたい、と希望を告げると倒くさそうに
「樽はへレスだけだよ、それで良いかい?」
と聞いてきた。
こんな場末のようなパブでも、状態の良いヘレスがしっかり出てきたのはさすが!

Hofから一度ニュルンベルクへ戻り、Sバーン(近郊電車)にてLauf an der Pegnitzという街に向かう。天気がだんだんと悪くなり、雨もポツリポツリと降っているのであるが、ビールを飲むだけなら問題ない、と電車に乗る。

Lauf an der Pegnitzで街巡りをするが・・・

続いてやってきたのはLauf an der Pegnitz(ラウフ・アン・デア・ペグニッツ)と言う街。直訳すると「ペグニッツ川の畔にあるラウフ」と言う名前で、その名の通りペグニッツ川沿いに発展した街。
(2020年再編集時注釈:夜はミュンヘンに戻ると言うのに、なぜニュルンベルク近郊のこの街を訪れたのかは、今となっては不明。今なら絶対にやらない行程)

まず訪れたのはWeissbier Brauerei Simon。
ヴァイツエンが飲める醸造所なので楽しみにしていたが、冬の日曜のためか閉店。市内に何カ所か飲める所があるらしい。
残念ながら写真は無し。
(2020年再編集時注釈:この頃はまだデジカメではなかったので、暗い環境では上手く写真が撮れなかった)

1軒目を空振りした後、気持ちを切り替えて2件目はDreykorn Bräu。

街の中心近くの横町(gasse)にある醸造所。ここも日曜の夜ということで休みであったが、幸いドアが開いた。中に入っていくとブラウマイスターらしき人がいたので、挨拶をした。
ビールは飲めないのか、と聞くと、ここは生産するだけで飲む場所は無い、との返事。じゃあビンを売ってくれと言うと、快く売ってくれた。

写真左:醸造所の扉
写真中:HellesとWeiss
写真右:DunkelとFestbier

外は寒いので、結局これらはミュンヘンの友人宅に持ち帰り、そこで飲む。

早朝にミュンヘンを出発し、列車に揺られること約3時間。
そして夜遅くにまたまた列車でミュンヘンに帰ってくると言う、なかなか無茶な日程で、かつ思ったようにビールが飲めなかったと言う、とても効率が悪い1日だった。
しかし今思えば、この時の非効率さが後々に「しっかりと調べてブルワリーを巡る」という方針に繋がっているような気がする。

次回へ続く>>