Brauerei Krug
1820年創業の小さな醸造所。同じ集落にあるBrauerei Griessよりも50年ほど古い。
田園地帯にある農村では通過車両が通れるように広い道が作られているが、各家々を繋ぐ昔ながらの小道が存在している。
この醸造所はそんな小道にあり佇まいは農家の様な感じだ。幸い道路に面して看板が設置されており、敷地の前面がビアガーデンになっているため見過ごさずに済む。
敷地は奥に続いており、なにやら納屋の様な建物があるがこれが醸造所。手前の建物がガストホフとなっている。ここは住居も兼ねているようで、時々子供の声も聞こえて来る、何とものんびりとした醸造所。
写真左:田舎の醸造所らしく、教会に至近距離の立地。
写真右:敷地内のビアガーデン。まだ早い時間だったので空いているが、夕方以降は晩酌目立ての地元衆で混雑する。
ビアガーデンはセルフサービス
南ドイツの多くのエリアでは、ビアガーデンはセルフサービスの事が多い。
この醸造所も同様で、ビールは自分でカウンターで注文をする。
食事も自分で注文をするのだが、さすがにそれを待っているにもいかないので、
「あの辺に座っているよ〜」
と声を掛けておけば運んでくれる。
さて、今回ビールと一緒に注文をしたのは「Zwetschgenbammes(ツヴァチゲンバメス)」。この地方でよく食べられている牛肉をプラムで燻した薫製肉である。
薦めてくれたのは、醸造所の近所のオバさん。
実はこの集落には3日前にやってきた。
来る途中に、なんと財布を拾ってしまったのである。これを持ってあちこち行く訳にも行かないので、庭いじりをしていたオバさんに声を掛けて財布の話をした。
幸い、中に身分証明書と自宅の電話番号が書かれた物があったため、持ち主宅に電話をしたのだった。
この日、もう一度オバさんの所へ行くと、財布は無事に持ち主へと戻ったそうだ。
「Krugへ行くなら、Zwetschgenbammesを食べると良いわよ」
帰り際、オバさんが薦めてくれたのがこれ。
この店の自家製Zwetschgenbammesは、この地方でも最高の逸品らしい。(オバさんの基準で)
「Zwetschgenbammesください」
と注文すると、
「Wie bitte?(え?何?)」
「Zwetschgenbammes!」
「Oh! Zwetschgenbammes!! (あ、ツヴァチゲンバメスね)」
実は文字で書く以上に発音が難しい。笑
写真左:「飲み物はこちら、セルフでよろしく」と書かれている看板。
写真右:Zwetschgenbammes
ここでしか飲めないビールを楽しむ
ここのビールは外へ出荷される事がなく、このガストシュテッテで飲むしか楽しむ方法が無い。そう考えると、何だかありがたいビールだ。
フランケンには、こ の様に瓶売りさえもしていない醸造所が多くあり、彼等の経営しているガストシュテッテやガストハウスでしか出していない。
ジョッキを持ったオジサンが現れ、カウンターでビールを一杯注いでもらい帰っていった。近所の人が家で楽しむビールを買いに来たのだろう。チビチビとビールを飲みながら、オジサンは路地に消えていった。
◾️Information
Brauerei Stefan Krug
Alte Dorfstraße 11
96129 Geisfeld
営業時間
16時〜 (平日、土曜日)
10時〜 (日曜日、祝日)
定休日 火曜日
◾️近くの醸造所
Brauerei Griess
****************************
Geisfeldはこんな街
バンベルクの東方面へ5〜6km程行った所にある人口1000人ほどの集落。
畑に囲まれた集落だが、場所柄バンベルクへ通勤している人も多い。
エリアとしてはバンベルク郡のStrullendorfに属している。
ここはバンベルクを流れるレグリッツ川から、フランケン・アルプスと言われる丘陵地帯の入口に当たるため、坂道の上にある。
ここからSchesslitz方面やEbermannstadt方面にアップダウンを繰り返しながら集落が連続する。
****************************