Zoiglstube Drei Kronen / Strassgiech

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なんと1308年創業という超老舗級の醸造所がバンベルク近郊のStrassgiechという集落にある。
フランケン地方には400軒ほどの醸造所が点在しているが、その多くは19世紀に創業している。当研究所があちこちフィールドワークしていて、老舗だと感じるのは13世紀から15世紀の醸造所だが、ここはそれを一歩超えての12世紀の創業。
そして建物もそのまま残っているという貴重な存在。

この「世界最古級」という存在に価値をつけたのが中国資本で、この醸造所のロゴとレシピのランセンス供与を受け、北京、天津、上海でブルワリー・レストランを展開している。

写真左:小さな集落の通りに面した新旧ガストホフ。
写真右:中庭はビアガーデン。右手には旧貯蔵庫。奥に新しい貯蔵庫。

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小規模醸造所としてはドイツ最古レベルの醸造所であることを売りにしており、かつての醸造所とその貯蔵庫は博物館として、

写真左:当時のままの建物が残っているのは貴重。
写真右:ガストホフの様子も基本的には昔のまま。(新しいテーブルも・・・)
イベントの時くらいにしか使わないらしい。

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醸造設備はさすがに昔のままではなく近代の物が活躍。創業当時の醸造道具はガストホフの方に資料として保管、展示されている。
貯蔵庫も当時の姿を留めているものの使用はされておらず、ビールは冷蔵設備のある場所で貯蔵されている。
なお、2004年に初訪問した時は醸造設備は稼働しておらず、すぐ近くにある某醸造所への委託醸造をしていたが、2012年に再訪した際は再び醸造をしていた。
(2016年現在は不明)

写真左:醸造設備は100年から150年前の物かと思われる。
写真右:写真ではストロボを使っているが、実際はとても薄暗いケラー。当時の雰囲気。

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天気の良い日はビアガーデンでビールを楽しめる。
ビールはなるべく当時の姿を残したままの褐色系のものを醸造しているが、フィルターは掛けてある。近隣への出荷も行っている。

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日本と同じく、老舗の維持はお金がかかる。
ライセンス供与の形で一定の収入を確保していくやり方は、今後も増えていくのかもしれない。
なお、上海の店舗を訪問してみたが、そこではドイツ人のマイスターにより、丁寧にビールが醸されていた。

■Information■
Zoiglstube Drei Kronen
Drosendorfer Str. 24,
96110 Strassgiech/Scheßlitz

現在の営業については不明

公式WEB

最終訪問 2012年8月




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