Zoigleカレンダーという存在=ドイツ・東欧ビール紀行2020(その13)=

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Falkenberg(ファルケンベルグ)から南へ数キロに位置している街
Windischeschenbach(ウインディッシェエッシェンバッハ)へ移動。

この街は昔からの街と川を挟んで対岸にあるNeuhausという地区に分かれており、今回はNeuhaus側のほぼ中心に位置するガストホフ(宿屋)に滞在する。

この街には両地区に一軒ずつのKommunbrauerei(共同醸造所)があり、その周辺に数多くのZoigle酒場が存在している。

写真左:Windischeschenbach旧市街。
写真右:対岸にあるNeuhausの中心部。緑の建物に宿泊。


一旦ここに車を置き、まずは徒歩で旧市街へ。
Neuhausは丘の上の街でかつての要塞がその頂に建っている。小さな城門をくぐり急坂を下って小川へ。旧市街までは20分ほどで着いた。

目抜き通りの裏手にある煙突の付いた小さな小屋。これが共同醸造所。
稼働はしていないが、窓が開いているので麦汁の冷却をしているのかもしれない。

何軒かのZoigle酒場を回ったが、どこもドアに鍵が掛かっている。
途中見つけたガストホフが開いており、
「Echte Zoigle」の看板も見えたので、まずはそこで乾杯。

写真左:どの酒場も一見すると普通の民家。
写真右:やっと見つけたガストホフで一杯

途中から老夫婦が相席となった。奥様の方はこの街の出身であり、夏の休暇に帰省をしてきたという。
ちょっとZoigleについて聞いてみると
「まずはZoigleカレンダーを入手しなきゃダメよ。これは必須。」

といいながら、財布の中から小さなカレンダーを出して来た。
「ここにどの店がいつ開いているかが書かれているんだよ」

なるほど、そのカレンダーにはどの集落のどの店が開いているのかが一目で分かる。
基本的には金曜日から月曜日、集落内で1〜2軒のみ営業というスタイル。
ただし集落によっては醸造する人が減った為、空白も目立つ。

 

Neuhausに戻り、夕食時間まで2軒開いているZoigle酒場の一軒に入る。
こうした情報もカレンダーに全て書いてある。
外から見た感じはただの民家だが、開いている扉から中を覗き込むと、確かにワイワイガヤガヤと賑やかな声が聞こえてくる。

ガーデン席はほぼ満席だが、店内は空いていた。
ビールは一種類のみ!
ついでに持ち帰り用の瓶ビールも注文した。
「車かい?いつどこまで帰る?」
と聞かれたので、
「明日、アムステルダムまで帰る」
と言うと
「まぁ、良いだろう。なるべく早く飲んでね」
という返事だった。
ビールは樽から直接注がれて栓を閉じるのだが、そもそもこのビールは店内消費または近隣住民が飲むだけの商圏しかないため、遠距離輸送や長期保存を前提としていない。
美味しく飲むには、やはりこの地に来なければならないビールなのだ。

次回へ続く>>

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Zoigleカレンダーという存在=ドイツ・東欧ビール紀行2020(その13)= への2件のフィードバック

  1. ピンバック: オーバープファルツ地方のツォイグル(Zoigle)文化=ドイツ・東欧ビール紀行(その12)= | ビール文化研究所 / Das Bierkultur Institut

  2. ピンバック: 田舎集落のビアガーデンでインタビューを受ける=ドイツ・東欧ビール紀行(その14)= | ビール文化研究所 / Das Bierkultur Institut

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