<<前回の続き>
Laaber村のBrauerei Plank を出て田舎道を1時間ほど北上。
Falkenberg(ファルケンベルグ)という街へやってきた。
この街はバイエルン州北部Oberpfarz(オーバープファルツ)地方にある人口900人程の小都市で、チェコ国境までは約15kmのところに位置している。
小さな教会、その前にある役所。そして、丘の上には城が建つ。
この古城は岩の上に建てられており、その起源は11世紀まで遡るという。
現在では博物館、そしてその上階部分がホテルとなっている。
なぜここに来たかというと、以前からこの地方に点在する「Kommun Brauhaus(コミューン・ブラウハウス=共同醸造所)」を訪れたいと思っていた。
Kommun Brauhausの存在を知ったのは2000年頃。
バンベルク市内で購入したFranken(フランケン)地方の醸造所ガイドブックに何軒か掲載されていたのだ。それらは小さな集落に存在しており、近くのパブやレストランのオリジナルビールを醸す、共同醸造所的な要素が強かった。
それに対し、ここOberpfarz地方のそれは、醸造所を使う権利を持っている住民が交代でビールを醸し、交代でそれぞれの店を開けるという変わったスタイルなのが特徴。
今回、東欧帰りにやっと立ち寄ることができた。
写真左:古城の前にある小さな醸造所
写真右:外からは麦汁冷却用のクールシップ(冷却槽)が見える。
Kommun Brauhausで醸されるビールはZoigle(ツォイグル)と呼ばれる。
基本的には下面発酵、ノンフィルターのビールだが、この醸造所の存在や住民との関わりを含めたZoigle文化そのものが無形文化として認められている。
さて、この街には何軒かZoigleを楽しめる店がある。
この日開いていたのはZoigle Kramer Wolf。さっそくそこへ入ってみた。
意外と大きな建物で2階部分には大きな宴会場もある。
どこにでもあるガストホフと変わりないが、一番の特徴はそこで出されるビール。Kommun Brauhausでご主人が醸したZoigleだ。
写真左:Kramerの全景。後ろの木造部分はケラーと宴会場
写真右:壁に大きく書かれた「Echter Zoigle von Kommunbrauhaus(共同醸造所からの本物のツォイグル) 」
写真左:通常瓶詰めはされていないが、通い瓶での持ち帰りは有り。
写真右:ノンフィルターなので、少々濁っている。ガス圧は低め。
簡単であるが食事ができる。
注文してから調理するというよりも、鍋に仕込んであって皿に盛るだけの料理が多い。
写真左:Kesselfleisch
写真右:Bockwurst(たぶん)
この日、この集落では一軒しか空いていなかった。
ここからは妻に運転を代わってもらい、宿泊する街へと移動。
<次回へ続く>>
ピンバック: プランク醸造所でビール、そして予期せぬ・・・・=ドイツ・東欧ビール紀行2020(その11)= | ビール文化研究所 / Das Bierkultur Institut
ピンバック: Zoigleカレンダーという存在=ドイツ・東欧ビール紀行(その13)= | ビール文化研究所 / Das Bierkultur Institut