バンベルク市内の老舗醸造所Kloster Brau=ドイツビール紀行2008春(その10)=

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ドイツの朝は、美味しい朝食から始まる。
宿によっては、夜居酒屋として営業している空間が朝食ルームとして使われることも多く、なかなか渋い空間での朝食を楽しむことができる。

朝食はバイキング方式がほとんど。
日本のホテルの様に豪華絢爛な食事がズラリと並ぶ訳ではなく、チーズ、ハム・ソーセージ類が何種類か並ぶ程度。
そうは言っても、ここはハム・ソーセージの本場ドイツ。
職人さんが魂を込めて作った物が並んでいる。

この日はホテルでガッツリと朝食をとり、まずは荷物を移動。昨日泊まれなかった常宿に引っ越しする。
チェックインを済ますと、宿のオヤジさんが
「おい、せっかくだから朝食を食べていけよ」
と誘ってくれたのですが、もう満腹。
「では、コーヒーだけでも飲んで行けよ」
せっかくだから御馳走になり、最近のバンベルク情報をチェック。
バンベルクの街へと繰り出す。

まず一軒目は、一番の老舗であるKloster Braeu(クロスターブロイ)へ。
Klosterとは修道院の事。ドイツ各地にこの「Kloster」を冠した醸造所が存在するが、その流れは大きく分けて幾つかある。
まずは現在でも修道院が経営しており、修道士達がビールを醸している醸造所。
その数はかなり少ないが、まだ確かに存在している。

そして、かつての修道院醸造所を買い取って今日でも醸造を続けている所。
これは最近の話ではなく、200〜300年前に買い取って経営を続けている、というスケールのデカイ話。

醸造所への道すがら、耕耘機に引かれたトラックが通過した。
荷台には麦芽の滓が。醸造所から農家へとこの麦芽が引き渡され、これを肥料にして作物が育つ。

写真左:バンベルクの石畳をトラクターが走る
写真右:荷台には麦芽の滓が満載

醸造所の扉を開けると、まずは下写真のようなホールが現れる。
右手がメインの部屋で、左手は貸切用にもなる客室。さらに突き当たりの扉を開けると小さなビアガーデンになっている。
このホールでは立ち飲みでビールを飲むことも可能で、カウンターと続く窓口からビールを購入することができる。

写真左:扉を開けるとまずはこのホールへ
写真右:ビール販売用の小窓。カウンター直結で、ブザーを鳴らしてビールを買う

店内は老舗らしい風格のある雰囲気だ。
古めかしい家具類は、しっかりと磨かれており、部屋と調和している。
さっそくビールを楽しむ。

春のフランケンを旅する楽しみは、Mai Bock(マイボック=5月ボック)と呼ばれるシーズンビールを飲むことだ。
ここクロスター醸造所でも4月から5月に掛けてはマイボックが登場する。
麦汁濃度が高く、よってアルコール度数も一般的なビールに比べて高い7%程のビールで、そのドッシリとした飲み口は空腹にエネルギーを与えてくれそうな感じがする。
今回はまだ時期が早く、マイボックは無かったが、通年販売されている黒いボックSchwaerzlabock(シュバルツラボック)(0.5L/2.9Euro)を注文。
朝一番のビールとして、相応しいか否かは不明だが、僕はあまり順番という物を気にしない(笑)

続いては定番ビールのひとつであるBraun Bier(0.5L/2.6Euro)を注文。
一般的に一番売れているビール、看板ビールがメニューの一番最初、または左上に書かれているのが普通。
フランケン周辺ではそれがHelles(ヘレス)であることが多いが、この店の場合はPils(ピルス)。
看板商品らしく、値段も0.5Lで2.2ユーロと他のビールよりも安い。
面白いことに、ミュンヘン・レーベンブロイのノンアルコールビール(瓶入り)のお値段は0,5Lで2.5ユーロ。コカコーラは0.5Lで3.5ユーロ。(笑)
(2022年再編集時 注 値段は全て取材時2008年の情報です)

写真左:Schwaerzlabock
写真右:Braun Bier

午前中、ここに来る前にホテルを引っ越ししたり、観光案内所に寄ったりとしているうちに、もうすぐお昼の時間になっていた。
1軒目だが食事を注文することにした。
何を食べようかなとメニューを開き、近くに座っていたオジサンに、
「フランケンらしい料理ってのはどれかいな?」
と聞くと、
「おお、それならこれはどうかな?」
と薦めてくれたのがSchaeuferla mit Sauerkraut und Kloss(9.2ユーロ)。

Schaeuferla(ショイフェラー)とはフランケン語で豚の肩肉のこと。
皮がパリパリに焼き上げられており、とても美味しく、ビールには最高に合う食事だ。
付け合わせについているのは、お馴染みの「Sauerkraut(ザウアークラウト)」と「Kloss(クロース)」。
一般的にKnoedeln(クヌーデルン)と呼ばれている物が、フランケンではKlossと呼ばれている。
(本来はKloßだが、文字化け防止のためKlossと表記)
さて、食事もしたことだし、これからミッションに入る。

そのミッションとは、バスで近くの集落へと足を運び、小さな醸造所を訪れること。

<次回へ続く>>