<<前回の続き>
夜行列車で到着した朝、しばらくの間は駅のカフェで時間を潰していたが、9時頃から始動。荷物をコインロッカーに預け、街に出た。
まずはミュンヘンの中心にある新市庁舎へ。
この街へ来たらまずは足を運んでみようという人も多く、その定説に従い毎回訪問。
そして、ビール好きならばそのまま徒歩数分の所にある超有名ビアホール「Hofbraeuhaus(ホフブロイハウス)」へと足を運ぶことだろう。
その道順は、広場からイザール門(Isar Tor)を潜って行くだが、そのイザール門の前にあるのが「Weissbierhaus」である。
その名の通りWeissbier(ヴァイスビア)に関しての超名門醸造所「Schneider(シュナイダー)」の店であり、本格的なヴァイスビアとバイエルン料理が楽しめる店だ。
(ちなみに現在の醸造所はレーゲンスブルクの近くKehlheim(ケールハイム)にある)
店頭に出された看板には、
「正午までのスペシャルメニュー 白ソーセージ2本+0.5Lのヴァイスビア、ブレッツェル1本付き 6.5ユーロ」(2008年当時)
と書かれているではないか。
おいおい、こんな事を書かれたら通り過ぎることが出来ない。(笑)
自然の法則に従ってドアを開ける。ただいま朝10時前(笑)
ミュンヘン名物の白ソーセージを食す。
基本的には午前の食べ物なのは、足が速いからと言われているが、最近はそれでも真空パックや缶詰やらが出回っているため、その限りではない。
しかし、その法則に従って午前中に食べてみると、サッパリとした白ソーセージの味わいが、朝の空気に何ともしっくりと来る。
もちろん、朝からのビールも美味しい!!
朝の一杯を求めて、時間の割にはなかなか盛況の様子。
皆、長細いヴァイスビアグラスを片手に「Prost(乾杯)!」
さて、この日はドルトムント時代の女友達Aがミュンヘンに住む弟さんの所に遊びに来ていると言うので、ランチを一緒に取る約束があった。彼女の実家があるのは大聖堂の街Ulm。帰省ついでに年に何回かはミュンヘンに来ているようだ。
そういえば、以前僕がドルトムントからフランクフルト空港へと向かう時に、ミュンヘンへと向かう彼女の車に便乗させてもらったこともあった。
シュナイダーで朝のビールを飲み干し、新市庁舎の広場近くで待ち合わせをした。
この頃、大粒の雨が空から降り始めた。
会った瞬間に
「あなたが来ると、何故いつも雨なの??」
雨男伝説は、ドイツでも健在。
そして、まず行ったのはSpatenhaus(シュパーテンハウス)。
オペラの近くにあるためか、何となく高そうな雰囲気の店だが、ビールを飲む位ならば大した事はない。
ドアをギイっと開ける。
Spatenはミュンヘン中央駅近くにある大きな醸造所。
19世紀に酵母の研究等を力を入れ、現在南ドイツ一円で飲まれている「ヘレス」を完成させた醸造所として知られている。
ミュンヘンというと1Lジョッキで出されるビールを思うかもしれない。
大きなビアホールやビアガーデンではマス(Mass)と呼ばれる1Lジョッキで出されるが、それ以外の店では0.5Lが標準。
厚いガラスのジョッキでビールを楽しむことになる。
ここでミュンヘンに住むAの弟さんが登場。
ビール飲み干して、次の店に向かう。
Wirthaus Ayinger
Spatenhaus(シュパーテンハウス)からまた市庁舎前の広場を通り、さらに朝ヴァイスビアを飲んでいたSchneider(シュナイダー)の前を通過し、ミュンヘン観光のメッカとも言うべきHofbraeu Haus(ホフブロイハウス)まで行くが、そこには入らずに道を挟んで反対の店へと入った。
何度か訪れたことがあるホフブロイハウスは今回パスし、エコロジカルなビールを造る醸造所として有名なBrauerei Ayingerのレストラン「Wirthaus Ayinger」を訪れた。
この醸造所自体はミュンヘンから30km程離れた街にあるのだが、ここミュンヘンにも店を出している訳だ。
朝立ち寄ったシュナイダーもそうだが、こうして町外れの醸造所が都市部に直営店を出すケースはよく見かける。
まずはビールで乾杯!
まだ昼だというのにもう3軒目。
ココのビールの売りは、酵母の生きたビール。
「Naturtrüb」と大きく掲げられているが、この「trüb」とは濁りとか澱みと言った意味。
英語と同じ「Natur=ナチュラル」な濁りのあるビールだ。
さらに「direkt aus dem Lagerkeller dem Brauerei Aying」とある。
直営店らしく「醸造所の貯蔵庫から直接運ばれて来た」ことを強調している。
この日はHelles、Weiss、Ur Weizen-dunkelと3種類のビールがあり、3人だったのでそれぞれ一杯ずつ注文して回し飲み。
ちょうどランチタイムだったので、食事を注文。
ミュンヘンという都市柄なのか、セットメニューの様な物が多く用意されているので、心誘われる。
注文したのは「Ofenkartoffeln mit Kräuterquark gefällt dazu gebackene Hendlbrust und Salat」というとても長い名前の物。
ドイツの料理は名前がそのまま内容になっているので、楽と言えば楽。
長い名前なんですが、キーワードは一つ最初に書かれている「Ofenkartoffeln」。
要するにこの料理は「焼いたジャガイモ」だ。
その周りに鶏の胸肉のフライやらサラダなどがワイワイと載っている。
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Hacker-Pschorr Brauhaus
世界最大のビール祭りとして世界的に有名なOktober Fest(オクトーバーフェスト)は、市内の「テレージエンヴィーゼ」という緑地で行われている。ここはかなり広くその大きさは東京ドーム9個分!!!
それをドイツ人に言ってみても、多分ピンと来ないが。訪れたのは、その広大な緑地を望む小さな丘の上にあるHacker-Pschorr Brauhaus(ハッカー・プショル ブラウハウス)。
市販用のビールを造る醸造所はHoch strasseにあるが、ここは直営の醸造所レストランと言った感じの店。
店内は醸造設備を中心にしたレイアウト。
オクトーバーフェストの会場横だけあって、かなり大きな店で「ビアホール」という雰囲気がピッタリの空間である。
「Natur Trueb(自然な濁り)」がここの売り。
Helles(ヘレス)、Hefeweiss(ヴァイスビア)など全てが「Natur Trueb」と記されている。
さて、訪れたのは3月。リストに「Zwickl Bier」があった。
このビールはフランケン地方でもよく見かけるビールだが、「酵母入りの下面発酵ビール」の事を差す。(諸説あり)
普通、このビールを売る時は「酵母入り」を全面に出して売り出すが、この醸造所の場合は全てのビールが濁った酵母入りのビールなので、あえて説明もなくメニューに表記されている。
さて、僕は雨男として知られいるが(笑)、ここでも伝説が。
飲み終わって店の外に出ると、突然・・・・・。
大量の雹(ひょう)が降ってきた。
仕方がないので同じ席に戻って飲み直す。
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Augustiner Bräustuben
ミュンヘンで最後に訪れたのは、Augstiner。
市内のあちこちにこのビールが飲める店がある。
新市庁舎の近くに直営(かと思われる)ビアホールの他、中央駅近くの線路の北側には「Keller(地下室付きビアガーデン)」もあるが、今回訪れたのは醸造所横に併設されたビアホール。
Hacker Pschorr Brauhausから徒歩10分程と今回の飲み歩き的にもベストな立地条件。
ここに来るのは4回目だが毎度超満員の人入り。人気スポットであることが伺える。
このビアホールの一番の特徴は、地元率が高いこと、と以前ミュンヘンに住んでいた友人が教えてくれた。
見渡してみると、確かにご近所さんでお誘い合わせで来たようなオジサン達、家族連れで賑わっている。
大都市ミュンヘンの市内部においては、唯一残っている自己資本の醸造所として市民に愛されているのだろう。
さて、この醸造所一番の売りは「Edel Stoff」というヘレス。
何でもこのビールに関しては自前の麦芽工場で生産された麦芽を使っているとか。
ヘレスらしい麦芽の甘みが口の中にフワリと拡がるビールだ。
これからBambergへ移動だが・・・
ミュンヘン中央駅から列車に乗る時、ひとつ思い出した。
今宵の宿を取っていない。
バンベルクではいつも同じ宿に泊まっているので、そこにするということは決めていたが、電話予約を忘れていた。
遅いかもしれないけど、一応連絡を取ってみた。
「グーテンターク。日本の飲兵衛だけど・・・・」
と名乗りかけると
「おお、コバヤシかぁ〜。またウチにくるかい??」
「そうそう、今日だけど空いてる?」
「今日?? う〜〜〜ん、とりあえず来い!」
と言うことで行ってみたら・・・・・
「おお!部屋は明日から空くから。今日のところは直ぐ近くの●●に泊まってくれ」
という話になった。
そして、その宿には連絡してくれてあると思ったら
「無い。大丈夫だ、あのホテルが一杯になることは無い!」
う〜ん、なかなかオヤジさんいい加減。
そして宿に行ってみると・・・・・普通に空いてた。
別に悪い宿じゃなかったけど、場所が悪いのかなぁ・・・・。いや、駅に近くて良い場所なんだけど。
<次回へ続く>>