ドルトムントからハノーファーへ=ドイツビール紀行2008春(その2)=

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長旅+サッカー観戦でお疲れの翌朝。
友人宅でグッスリと眠り、朝食をいただく。
「これはOma(おばあちゃん)が作ったジャムだ」
とどの友人宅でも瓶がズラリと並ぶ。

この日の予定は、友人夫婦の新居を見に行くこと。
そして、午後はICEで2時間弱のハノーバーへ行くことにした。

ドルトムント郊外に中古住宅を買った友人夫婦。
戦後直ぐに建てられた住居らしく、電気系統やら配管やらが随分と傷んでいるとのことで、購入後これらを総取り替えしたという。(友人のひとりが電機工で格安だったとか)
これから壁を塗ったりキッチンを作ったりと、週末ごとに時間を掛けて自分達の家にしていくんだ、と笑顔で語っていた。
(2022再編集時 注:その後、数回このお宅にもお邪魔した)

元鶏小屋だったという建物は、ガレージ兼用の「離れ」に。
「ワールドカップの時には、テレビを庭に向けて置き、庭に椅子を並べてみんなで観戦しようと考えているんだ」
う〜ん、羨ましいぞ。

午後はドルトムントからハノーバーへ向かう。
2007年の夏、日本に遊びに来た友人を訪ねるためだ。
ちょうどIR(Inter Regio=インターレギオ=地域間快速)が来たのでそれに乗車。
ドイツ鉄道の良いところは、このレベルの列車にもカフェが付いていること。

ここで何を飲むかと言うと・・・・

もちろんビール。
列車の中でも樽生ビールが飲める・・・・これこそが、ドイツがビール王国たることを示している。
工業地帯を走っているのだけど、車窓の風景はずっと農地が続く。
平原に農家がポツポツと点在する。

ハノーファーを歩く

ハノーファーの市庁舎にやって来た。
この街に住む友人二人と会ったのだが、その内の一人が街や建物の歴史に妙に詳しいのでビックリ。
聞けば、このパリ出身の友人はフランス人相手に観光ガイドのバイトなどをやっているのだという。
プロのガイドと共に最上階の展望台に登ろうと思ったら、臨時休館日・・・・。

この街は第二次大戦で破壊されたため、近代的な建物が並んでいる。
そうは言っても何となく昔っぽく作るのがドイツ人なのだが。
もうひとつ、ハノーファーを歩いて思うのは、良く整備された自転車道。
駅からまっすぐ伸びるこの通りにも、非常に走りやすそうな自転車道がある。

さて、この旅で最初の醸造所探訪。

市庁舎のすぐ裏手にある近代的なビルの一階にテナント入居しているのが、HBX Stadtbrauerei am Aegi。
数年前にこの街角を通りかかった時には、まだ無かった。
最近は、このようなテナント入居の醸造所が都市部で増えている。
店内は入って直ぐに醸造設備がどかんと鎮座し、これを取り囲むようにして吹き抜けが作られており、客はこれらを見下ろしながらビールを楽しむ。
一階席は立ち飲みカウンターを兼ねるような背の高いテーブルと椅子が並んでいる。
なお、2階席はもうすこし落ち着いた感じのレストランスペース、3階には貸切用の大部屋などがある。

この日のビールは3種類。左からDunkel(デュンケル),Weiss(ヴァイス),Pils(ピルス)です。
定番としてこの3種類を作るところが多いが、ここもそれに習ってか見事に3種類が並んでいる。

Helles(ヘレス)ではなく、Pilsというのが実にハノーファーらしい。
ハノーファーにはGildeというドイツでもかなり大きな部類に入る醸造所がある。
こういう大きな醸造所があると、そこのビールが市内(およびその周辺地域)に浸透するため、ピルスの街になるようだ。

ビールと一緒に注文したのは「Curry Wuerst(カレーソーセージ)mit Pommes(ポテト付き)」。
周りのテーブルの皿が大きかったので覚悟はしていたが、こんなに大きな物が出てくるとは思わなかった・・・。

次回へ続く>>