Würzburgへショートトリップ=ドイツビール紀行2006(その13)=

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Würzburgへショートトリップ

バンベルクから足を延ばして、ちょっとヴュルツブルグへ行ってみる。同じフランケンの街であるが、フランケン・ワインの産地として有名な街だ。

 

今まで何度もこの街を通り過ぎたが、降りるのは今回が始めて。
なぜか縁の無かった街で、駅のホームから美しく並んだブドウ畑を見るたびに降りたい衝動に駆られていたが、叶わなかった。
一度は降りようと計画していた事もあったが、列車がかなり遅れてしまったためご破算になったこともある。

改装中の大聖堂ではなくマリエンカペレへ。
ステンドグラスと壁に掲げられた聖人像は、まぁ大体パターン化されているので何も感じることはないが、やはりその空間の大きさには驚かされる。

教会の建物よりも、どちらかというと市場を見るのが好きだ。
5月だったので、白アスパラ(シュパーゲル)を並べた店が多く、山の様に積まれた商品が、次々と無くなっていく。ドイツ人のシュパーゲル好きには驚くばかりだ。

「Altbruecke(古い橋)」という安直な名前の橋は、その名と違い宮殿と共に街のシンボル的な存在だ。
ほとんどの観光客がこの橋を訪れ、歩いてマイン川を渡り丘のブドウ畑を眺めている。もちろん僕もそうした。
橋の袂には何軒かのカフェがあり、店先の立ち飲みスペースにも奥のレストランスペースにも人が溢れている。皆が手にしている物は小さなワイングラス。小さなグラスに注がれた白いワインを美味しそうに飲んでいる。

同じフランケンという地域でも、バンベルク周辺とは明らかに違う街の空気である。宮廷文化の栄えた街だけあってやはり華やかだ(なんとなく)。

 

Ratskeller(ラーツケラー)

Ratskeller(ラーツケラー)に入ってみた。
これはRathaus(市庁舎)の地下室を意味しているが、レストランだ。

ドイツの古い町の古い市庁舎にはほとんどこの様な形態のレストランがあり、どちらかと言うと洒落た雰囲気の中で食事が楽しめる。街のシンボルでもある市庁舎の下に造るくらいだから、質素という訳がない。そして、何と言ってもその街の料理人によって、その街の味が楽しめる。

涼しい室内であるが、ガランとしている。
店内には日焼けを恐れているらしき奥様を連れた日本人夫婦が一組いるだけで、ホールの中には決して大きいわけではない彼等の話声が響いているくらいだ。
ほとんどの客は店の前に拡げられたテラス席に座っている。
こんなに晴れた日の昼食である。この様な状況に置かれた場合、ドイツ人のほとんどが外での食事を希望する。テラス席は満員御礼だ。そして続々とやって来る客は、満席だと言うことを察すると店内を見ることなく帰っていく。他の店のテラス席を探すためだ。

偶然席を立った老夫婦がいたので、待つこと無く席を確保できた。外の席であるが最前列ではなくちょっと奥まっている場所で、僕にとってはベストポジションだ。
この様に街の真ん中にあるカフェやレストランの外の席に慣れていないせいか、一番前だと何となく視線が気になる。特に同じ日本人観光客の視線だ。オバサン団体客なんてのは、こういう状況に置いて
「あら、気持ちよさそうな席ねぇ・・・。美味しい?」
などと聞いてくることもよくある。

店員に
「この地方の料理は?」
と聞くと、
「これとこれが・・・」と指をさして教えてくれる。やはり肉料理になってしまうのは仕方がない・・・。

<次回へ続く>>