デュッセルドルフでハシゴ酒=ドイツビール紀行2006(その2)=

■デュッセルドルフ、まずはUerigeでアルト

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ドルトムントからデュッセルドルフへ。
RE(地域快速と言うべきか)に乗り、何度も何度も通ったルートだが、目的はもちろんアルトビールである。
今回は、この何週間か前に浜松で飲んだKiriさん@デュッセルドルフと中央駅で合流し、一路旧市街へ。
ラインテラスと呼ばれるライン川の川岸には、暖かくなってくる4月半ば頃よりカフェが建ち並ぶ。
対岸には牧草地のような河川敷があるのだが、時期によっては本当に放牧地にされており、この日も羊の群れが歩いていた。(笑)

■Zum Uerigeへ

旧市街にあるZum Uerigeへアルトビールを飲みに行く。
このビールに出会い、僕はドイツビール巡りを始めたと言っても過言ではない。
この街を通る際には必ずこの店を訪れているが、何年か前は滞在時間1時間でこの店の為だけに途中下車した事もあった。

好物であるMett(メット)を注文。これは生の豚肉のミンチで、ドイツ以外では食べたことはない。
留学生の頃は教室近くの肉屋で毎日のようにパンに挟んでもらい食べていた、個人的にも思い入れがあるドイツの食べ物の一つだ。
何度か紹介した事もあるが、これにワサビ醤油を掛けると、なぜかトロの味がするのはドイツ在住留学生なら誰でも経験した味。(←そんなことは無い、と言われそう)

天気が良いので、店の外にテーブルが出ている。
ラインテラスに向かって歩いている人が、フラリと寄ってはビールを一杯引っかけていく。
そんな気軽さが魅力的。

 

■Brauerei Im Füchschenへ

Brauerei Im Füchschenへ向かう。
川縁をフラフラと歩き、旧市街を抜け、博物館裏のこの店にやって来た。
毎年の様にこの街へ来ているが、この店を訪れるのは実に8年ぶりである。

店の前のテーブルは混み合っているが、ちょうど団体さん御一行が帰る支度をしていた。
すかさずそこに席を確保する。

これだけ見ると人数分のグラスがあるのだが、一人が数杯飲んでいることは、レシート代わりのコースターに書かれた鉛筆跡が物語っている。

残さずに、飲みきっているのが良い!

この街では、緑の木々の下で飲む、というよりも、道端で飲むのが楽しい。
何と言ってもアルトビールの本場は、ここ旧市街なので、石畳を通る車がちょっとウルサイと感じつつも、ビール文化に触れる喜びを感じる。

■Brauerei Zum Schluesselへ

時間的にそれほど余裕がある訳ではないので、あと一軒だけ寄ってドルトムントへ帰ることにする。しかし、どこへ寄るかが問題だ。

旧市街には、今日訪れたZum Uerige、Im Fuechschenの他にZum Schluessel、Schumacherと4軒の醸造所及び醸造所直営店がある。
SchumacherはOst strにある本店を何度か訪れたことがあるので、ここは久しぶりのZum Schluesselに行ってみようと決心。
Im Fuechschenに続き、こちらの店も8年ぶりくらいの再訪である。

Schluesselとはドイツ語で「鍵」のこと。
扉には大きな鍵のオブジェが掲げられているが、もちろん鍵は掛かっておらず誰でも入れるオープンな店なので、その鍵の意味は無い。

大きめのカウンターを取り囲むようにして、立ち飲み客がワイワイと談笑している。
今日は食事をすることを前提にして来たので、その横のテーブル席に座り、メニューをじっくりと眺める。

そんな事をしていると、店員がやって来てドンとテーブルにビールを置いていった。

何だか注文も取らずに不親切なようだが、注文なんかは取らなくても、もちろん客はビールを飲みに来ているので問題無い。
もし、ビール以外を欲する客が居ても、そのビールはすぐに他の人の腹に収まるからこれもまた問題無い。

 

■ノンアルコール麦芽飲料Vita Malz


短時間で多くを飲んだデュッセルドルフからドルトムントへ戻り、友人達と合流。
なぜかなぜかアイリッシュ・パブへ行く。

以前からこの面子(かつてのチームメイト。ボルシア・ドルトムントの観戦も一緒に行く仲間)と飲みに行く時はアイリッシュパブが多かったのだが、そのヒミツが解った。

この日、誕生日でもあるCがアイリッシュ・ウィスキー好きだったからだ。

昨年は彼の自宅で飲んだが、今年はここで祝うことにしたらしい。
そこは中央駅から市内に真っ直ぐ向かう途中の店。
画材屋が近くにあり、以前製図用のペンを買った記憶がある。

この店で飲んだのは、ビールにあらず。(ブーイングが来た)
麦芽飲料Vita Malzである。

これは麦芽の糖化が終わった麦汁を、フィルターに掛けたような味の飲みのもで、ドイツ中で飲まれている。
この辺りだとDABで生産されており、地ビールならぬ「地Vita Malz」である。

ドロっとした舌触りと甘く苦い味わいで人気が無い飲み物であるが、体調が悪いが仲間と飲まなきゃならん!と言う輩は、大体これを注文する。
(どうやら滋養強壮に良い、とされているらしい)

余談であるが、シンガポールでは「疲れたらスタウト」と言われている。
タイガービール製のスタウト「アンカー」だが、もっと疲れている人は
「スタウトに生卵」を入れるらしい。(←実際に目撃した)

次回へ続く>>