バンベルク市内散歩=ドイツビール紀行2006秋(その4)=

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今回宿泊しているのはBamberg郊外のMemmelsdorfという集落にある醸造所Drei Kronenである。この様に醸造所に併設された宿泊施設の事をBrauerei Gasthofという。
ここにはほぼ毎年の様に訪れているが、宿泊するのは初めて。
夜はレストランとして使用されている部屋が、朝は朝食ルームと変わる。
客層を見ていると結構ビジネス客の利用が多く、新聞を読みながらコーヒーなんかを飲んでいる姿は、日本の朝のホテルの風景と変わらない。

違うのはここが1457年創業の老舗だということ。

僕が朝食ルームに入ってくると、
「グーテンモルゲン!コーヒーにします?それとも紅茶?」
と朝食担当の女性がやって来た。
同時に、
「お久しぶり。ルディからあなたが来るって聞いたいたわよ」とご挨拶。
(実は友人の娘さんである)

続いて現れたのはオーナー氏。
隣のテーブルにいた数名のビジネス客らしき人と挨拶を交わし席に座るとこっちに気が付いた。

「やぁ。よく来てくれた。お久しぶり。」
紹介するからちょっとこっちへ、と言うので行ってみると、彼等はウィーンの醸造家のグループらしく、何日間か研修していくのだという。

「今夜、時間があるかい?彼等のビールを試飲するから、その時には是非」
と夜の約束。

バンベルクに「新規開店」

かつては旧市街だけで数十もの醸造所があったバンベルクだが、今では10軒ほどしか残っていない。
かつて、醸造所であった店は未だに当時の看板を掲げている所も多く、一番目立つのはやはり旧市街シュレンケルラのすぐ近くにある「Hofbraeu」。
(ミュンヘンの「ホフブロイハウス」の親戚ではない)

しかし、何年か前から営業を始めた新しい醸造所も存在する。
それが「Ambraeusianum」(アンブロイズィアヌム)。

場所は分かり易いことに「シュレンケルラ」の二軒となり。

元々あった古い建物を改装した店内に、かなり古い醸造設備を設置して営業を始めた店だ。古い醸造所は小部屋に分かれていることが多いが、ここは元々レストランに使われていたのか、壁が取り払ってある感じがする。
天井が高く、居心地が良い。

午前11時の開店なのだが、15分ほど早めに着いてしまった僕を入れてくれる。
申し訳ない・・・・。時間にきっかりのドイツ。大都会だと15分待たされることもしばしばあるので、改めて「田舎町は良いなぁ・・・」と思いにふける。
Dunkel,Weiss、そしてボックの三種類があった。
老舗ではあまり無い「お試しセット」があったのは嬉しい。

 

シュレンケルラの行燈


直ぐ隣にあるシュレンケルラに入る。
翌日にはバンベルクを出てフランクフルトに向かう為、今回この機会を逃すと次はいつになるか解らない。
夕食は宿泊先であるBrauerei Gasthof Drei Kronenで摂る予定だが、軽く一杯飲む事にした。
週末ということでシュレンケルラはほぼ満員。
入口付近の立ち席でラオホを一杯ゴクリと飲み干す。

この日(11月初旬)は普通のラオホ以外に、ボックがあった。
濃厚なラオホなんだけど、さらに濃厚のボック。3杯も飲めばかなり酔いそうな逸品。

春か夏のバンベルクしか知らなかったが、11月だと夕方過ぎにはもう真っ暗。
こんな綺麗な行燈があったのか、と新しい発見もあった。

 

帰路へ

翌日はバンベルクを離れてフランクフルトの空港へ。
夜の便なので、ゆっくり目に行動できるのが嬉しい。

ICE(高速列車)の乗り換え駅であるヴュルツブルクまでに行く途中、列車がSchweinfurtという街で乗り換えだったので、そのまま街へ出てビールを楽しむ。
(ちなみにビールはヴュルツブルクのビール)

今回の旅はクロアチア旅行を兼ねていた。
前半をクロアチア、後半をドイツという感じで約12日間の旅。

2006秋 完