再び、農村集落巡りを続ける=ドイツビール紀行2003(その7)=

<<前回の続き

創業は室町時代

朝、Bambergの宿で朝食を食べた後、バスで昨日の終点Schesslitzまで行く。
考えてみれば、昨日タクシーを呼んだガソリンスタンドに自転車を置いてくれば良かったと後悔する。
ここからWürgauと言う街に向かうのであるが、ちょっと早起きすればBambergからの直通バスがあった。ただし、そのバスだと到着が早すぎる。
結局、数キロの緩い上り坂を延々と走りWürgauに到着。
この街にあるのは1550年創業の老舗Brauerei Hartmann。
街の中心に位置し、ホテルを併設した醸造所だ。

写真左:通りから教会を望む
写真右:Brauerei Hartmann全景

道に面してビアガーデン、ガストホフ、醸造所そして駐車場と並んでいる。
ビアガーデンには大木があり、自然な木陰の下でビールを楽しめる。

気持ちの良いビアガーデンに座り、ビールと料理を注文。
注文したのは典型的なフランケン料理Schweine Braten(いわゆるローストポーク)。
付け合わせには丸い団子Knoedeln(クヌーデルン)とほうれん草スープがつく。

 

教会の周りに3軒の醸造所

ここからは来た道をバンベルク方面へと引き返す。
まずは先ほどバスを降りたSchesslitzへ。

Schesslitzの入口にあった看板。
昨日は夜だったので気づかなかった。

まず訪れたのはBrauerei Lindner “Zum Drei Kronen”。
すでに14時を回っていたため「午後の休み」に入っていたため残念ながら入れず。

数軒隣にはもう一軒の醸造所Brauerei Sengerがあるのだが、そちらは扉が開いている。
ちょっと覗いて
「ビールは飲めますか?」
と聞くと手招きをしてくれた。
ここは小規模な醸造所で、自分の店で出す分しかビールを作っていない。
メニューには『Bier Gross(ビール大)」と「Bier Klein (ビール小)」しか書かれていない潔さ。
その唯一のビールはフランケン伝統のDunkelだった。

この街の中心部にはBrauerei Schmitzがある。
残念ながら醸造は休止しており、Ausschank(販売所)のみの営業。
ビールはBayreuth(バイロイト)の醸造所に委託醸造しているという。
フランケン地方には半径50kmほどのエリアに400軒ほどの醸造所が存在しているが、このように醸造を休止し委託醸造に切り替える所も多い。
しかし、レシピやラベルはそのままの事がおおく、今までの販路、顧客は維持し続ける。
(2020年再編集時注:その後、この店は醸造所を復活させた)

 

蔦の絡まる醸造所

Schesslitzで2軒の「空振り」をし、ちょっといじけていた次の集落を目指す。
Leitenbach沿いの自転車道を気持ちよく走り、Stressgleichの集落へ。
S字カーブの幹線道路に沿った形で形成されている集落であり、SEGAラリーに出てきそうな雰囲気(笑)。

その集落の真ん中にある醸造所Brauerei Drei Kronenへ。
14世紀から続く老舗であるが、何と定休日。
・・というよりも、週末のみ営業との事。
オーナーが出てきて、まぁせっかくだから、とコースターをくれる。
蔦の絡まる醸造所は風格満点。残念!

ちなみに、この「Drei Kronen」という名前は「3つの王冠」という意味だが、あちこちにその名が存在する。

次回へ続く>>