Schönbrunnは、フランケン地方の中でもStiegerwwaldと呼ばれる山がちなエリアにある人口900人ほどの集落。
ここに1853年創業のBrauerei Wernsdörfer がある。
車が通るメインストリートから、細い路地を入っていくのだが、ここもまた「醸造所と教会は近い」というセオリー通りの立地だ。
石畳を歩いて行くと、大きなトラクターが置かれた農家の向こうに、パラソルとテーブルが置かれた小さなビアガーデンを構えた醸造所が見えた。
目の前には教会があり、また道はその奥の墓地まで続いている。
入り口がよくわからず、ガーデンから中を覗いたら、常連らしきオジさんがドアを開けてくれた。
この醸造所で造られているビールは、Vollbier一種類のみ。
曖昧なビールの名称ナンバーワンのVollbier・・・・、この醸造所ではちょっと褐色がデュンケルが出てきた。
他にもバンベルク市内の醸造所のビールが何種類か繋がれており、ラインナップを補完している。
このビールを毎日楽しんでいるのは、もちろん地元のオジさん達。
常連席で、グビグビと飲んでいる。
「まぁこっちに座って飲めよ」
先ほどドアを開けてくれたオジさんが誘ってくれたので、常連席にお邪魔した。
オジさんが手にしているジョッキには、大きく「バイエルン・ミュンヘン」のエンブレムが描かれている。
よく見ると、棚にずらりと並んだ多くのジョッキにも描かれているではないか。
聞けば、この店はこの集落の「バイエルン・ファンクラブ」の事務局(?)の様な存在で、テレビ中継のある日はみんなで応援。
同じフランケン地方でプロチームがあるニュルンベルクや、時にはミュンヘンまでバスツアーを企画してみんなで行くこともあると言う。
冠婚葬祭だけではなく、集落の人が集まる醸造所はまさに「地域の中心」である。
「そうか、オマエさんもサッカーが好きか!まぁ、乾杯!!」
オジサンは美味しそうにビールを飲み干し、お代わり!
「で、君もバイエルンのファンなんだね??」
「え〜、それがですね・・・」
と言いながら、我が愛するボルシア・ドルトムントのキーホルダーをチラリ。
その瞬間、
「Oh! Mein Gott!!(オー!マイン・ゴット)」
「それを知っていれば、さっきドアを開けなかったよ!!」
(もちろん冗談)
■Information■
Brauerei Wernsdörfer
Obere Bachgasse 5
96185 Schönbrunn im Steigerwald
営業時間
月、木、金、土、日 9:30〜
水 17時〜
火曜定休
<公式WEB>
<最終訪問 2007年8月>
Schönbrunnはこんな街
バンベルク郡の大字Brugebrachに属する人口900人ほどの集落。
正式には「im Steigerwald」と場所をつけて表記。
Steigerwald とはバンベルク西側に広がる森のこと。このエリアはこれまた独特な地域愛を持った人が多く、「我らはFränkisch(フランケン人)ではなく、Steigerwalder(シュタイガーワルター人)」だ、と胸を張る。
彼らが誇るように、そこは美しい村々が続き、それぞれの集落には醸造所が点在している。
交通の便は悪く、一応路線バスはあるものの1日数本しかなく使えないに等しい。