バンベルクから真西へ15kmほど離れた小さな集落にある1895年創業の小さな醸造所。緑の看板でブレーメンから世界へ輸出されている「Becke’s」と似ているが、もちろん別の醸造所。
こちらは人口800人ほどのフランケンの田舎町で、ここに住むオジさん達のためのビールを醸す、村の重要店だ。
この醸造所は通りに面した大きな木が目印。その木の下には気持ち良いビアガーデンがある。
敷地内には醸造所、ガストハウスの他、ビールの販売所「Ausschank(アウスシャンク)」が立ち並んでいる。どれもフランケンのビール文化の要素であるが、もうひとつこの醸造所には貴重な地下貯蔵庫が残されている。
残念ながら今は使われていないが、一応残してあるのだ、と言う。
醸造所近くの丘にこういう穴を掘り、貯蔵庫に使うこと多いが、ここは敷地内に「地下室」として掘らていた。
これができるのは、この集落が斜面がちであるため。
建物から傾斜地に向かって横穴を掘れば、そこは立派な地下室になるのだ。
醸造所の庭でビールをいただく。
ビールのラインナップはPils,Lager,Dunkel,Keller,Bockなど。
今回はKellerbierを。ノンフィルターでちょっと濁りかかった伝統ビール。
写真右はKellerbierの専用コースター。
写真右は「Ausshank(アウスシャンク)」と呼ばれている「販売所」。
醸造所内にはこのような販売所が併設されている所が多く、ここは倉庫の一角がそれに当てられている。
ビールだけではなく、ソフトドリンクや、ここでは醸造していない種類のビールを近くの醸造所から仕入れて販売。
村の醸造所はビールを醸して提供しているだけではなく、こうして総合飲料商店のような役割をも担っている。
田舎の醸造所の多くは、ビールを飲むためのガストシュテッテとは別に、こんな宴会場を持っている。(この時の状態では机と椅子が片づけられている。)
何に使われるのかというとズバリ「冠婚葬祭」。
おおよそ醸造所と教会は近くなので、結婚式にも葬式にも便利なのだ。
■Information■
<最終訪問 2007年8月>
Trabelsdorfはこんな町
人口800人ほどの集落で、バンベルク郡の大字Lisbergに属している。
バンベルク西部、マイン川から山をひとつ越えた辺り一帯は、特にSteigerwald(シュタイガーヴァルト)と呼ばれている風光明媚なエリア。Trabelsdorfはその入り口としての位置付け。
古い城もあり、そのための醸造所Schloss Brauerei Trabelsdorfもあったがこちらは残念ながら1999年に廃業している。
2016年4月に訪問しました。ガストハウスは火曜で定休日でしたがオフィスは開いており、ボトル購入交渉はできました。
しかしお金を渡した後、ガレージのビールケースから勝手に好きなのもっていっていいよ、と言われ、誰もいないガレージでビールをセレクトすることに。おおらかというか大雑把というか・・・・驚きの経験でした。ドイツでは良くあることなのかな?
fuchigamiさん>
まぁ、フランケンは大らかですからね。笑