ドイツの田舎の狭〜い世界=ドイツ・ベルギービール紀行2008春(その16)=

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30分ほど近況報告をして次の店Brauerei Hoehnに向かう。次の店は2軒となりにあり、距離にして50mという至近距離。
ここも宿を併設したBrauerei Gasthofだ。
写真で解説すると、奥に見える黄色い建物がBrauerei Drei Kronen。そして、手前の赤い建物がBrauerei Höhnである。

こちらで楽しんだビールは「Görchla(ゲルヘラ)」という銘柄。(0.25L/1ユーロ、0.5L/1.7ユーロ価格は2008年8月現在)

ちょうど店内に居たブラウマイスター兼オーナー氏に聞いたところ、ノンフィルターのピルスナーだ、という。
そのビールが「Görchla」というカテゴリーなのかと思ったら、
「いや、俺の名前がGeorg(ドイツ語読みではゲオルグ)」だからビールは「Görchla」と名付けたんだ」と言う。
この名付け方が何とも田舎っぽくて好きだ。

店内はシンプルなんだけど、細かい装飾品を綺麗に配置することでおしゃれな空間に仕上がっている。
後で知ったことですが、奥様がその道のプロであるとか。
さて、Memmelsdorfを離れてバンベルクに戻る。本日のビール紀行も三分の二が終了だが、夜はこれから。

さて、Memmelsdorfから戻って来てちょっと宿で一休みした後、夜の部の始まり。
宿はバンベルク中央駅からも近く、かつBraueri Spezial、Brauerei Faesslaなどの醸造所も至近距離にあるため非常に便利だ。
そして、存在は知っていたのになかなか行く機会が無かったここWeissbierhaus (ヴァイスビアハウス)もすぐそば。
川沿いを走るOberkoenig Strasseの、SpezialやFasslaとは反対方面に歩いて行くとすぐに見えた。

この店はWeissbierで有名なBrauerei Maiselのビールが楽しめる店として知られている。今朝、立ち寄ったときにクローズしていたMaiselだが、そこでスンナリとあきらめたのも、実はこの店の存在を知っていたからである¥。
バンベルクの飲み歩きチケットも、この店が「Maiselの店」として紹介されており利用が可能。Maiselは市内に直営店を3店持っている内の1店で、市街地に近いこともあるせいか、こちらの店がメインかもしれない。
(2023年再編集時加筆;Maiselはその後廃業)

さて、元々Weissbierで知られるMaiselだが、そこでしか飲めないビールを飲むのがビアライゼの基本、ということで別の物を選んでみた。
今回はHeller Bock(ヘラーボック)を注文。
ボックは高濃度のビールで、春先と秋口に飲まれるビールだ。
日本では特に5月に飲む「Mai Bock(マイ・ボック)」が有名。この旅の時点では3月の終わりなので、そろそろ出て来る時期とも言える。

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一人でふらりと入ったため、テーブルは相席に。
フランケンの別の街からやって来た夫婦に相席させてもらい、ビール談義に花が咲く。フランケンの人たちって、別に「ビールファン」じゃなくてもあちこちの醸造所情報を持っているのが嬉しい。日本人が地元の美味いラーメン屋の情報を持っているのと同じ位の感覚で、ビールを語ってくれる。

朝から始まったバンベルク(とその郊外)のビアライゼの締めくくりはラオホビアの名店「Shlenkerla(シュレンケルラ)」。
まぁ、この旅で何度も立ち寄る店なのだが、ここで友人と待ち合わせをしているのだ。
バンベルク在住で、過去のビアライゼの際に何度も泊めてもらっているRudiとの1年ぶりの再会。待ち合わせはシュレンケルラでというのは最近の定番。

今日は入ってすぐ右手にある、昔からのGaststaette(客室)に入る。
Rudiはたまにシュタムティッシュ(常連席)に座るほどの常連さんなので、顔も広くあちこちに声を掛けながら店内を歩いて行く。

さて、この店の定番は薫製麦芽を用いたRauchbier(ラオホビア)。そして春と秋のボックビールのシーズンにはRauch Bock(ラオホボック)が看板に上がる。
しかし、今日飲むビールはこれらとはまた違ったビールで、さらに強いFestenbier(フェステンビア)という物。まぁ基本はラオホビールなんだけど。
他二種類とは違い、ズングリとしたジョッキでサーブされた。

さて、夕食。
バンベルクらしい料理を、ということでRudiに選んでもらっていたら、他のお客さんや店員さんまで巻き込む事に(笑)
大激論の末に落ち着いたのは、「Kesselfleisch mit Sauerkraut und Bratkatoffel(6ユーロ)」。
「塩ゆで豚肉のザウアークラウトとポテト添え」と訳すのがいいか。

そんな事をしていたら、朝から会っているバンベルクの若者3人組にまた出会った。
一応、「夜はここで飲んでいるから時間が合えば飲もう」と伝えておいたのだ。

そのうちの一人が、僕らのテーブルに来るやいなや、
「あれ?Rudiじゃないですか」
と言う。

何と、彼らはご近所さんでした。
それも、Rudiの息子と同級生という。

う~ん、分かってはいましたがバンベルクは狭い世界だ。
みんな揃って乾杯!!

次回へ続く>>