ルール地方のビールは大手のみにあらず
ルール地方では、産業革命以降の労働者階級の人口増加により、ビールの消費量が大きくなった。それに合わせてドルトムントをはじめとした大都市の醸造所が、合併吸収を経て巨大化しルール地方だけではなく、世界各地へ輸出をするようになる。
小さな街にはこれらの醸造所のビールの看板を出す店がほとんどだが、ここCastrop-Rauxel(カシュトロップ-ラウクセル)では2005年になって初めて醸造所が開店した。それがBrauhaus Ruetershoff。
醸造所があるのは駅からかなり遠い住宅地。はっきり言って交通の便が悪い場所にある。
わざわざ遠くから飲みに来る、というお客さんも少ないようだが、地元の人にとっては自分達の生活エリアに存在する泉の様な存在なのだろう。夕方は手ぶらでフラリとオジサン達が集う場所になっている。
写真左:この店は住宅地にある
写真右:店内の雰囲気。
1990年代以降に開業したマイクロブルワリーは、大体がこんな感じの店舗。写真が切れてしまっているが、右に醸造設備が置かれている。
昼間の時間帯に行くと設備がフル稼働しており、店内は凄い熱気に包まれていることが多いです。
訪問時のビールは4種類。
Weissbier、Dunkelの他、PilsnerとUrtrubesbier。
「Urtrube」とは「昔ながらの濁り」と言った意味で、ノンフィルター系のビール。やはり最近の流行りで、新規にオープンする醸造所では、ほぼこれを醸造している。
ちなみにこの醸造所はホテルを併設している。
「こんな所に誰が?」と思うが、実はビジネス客の利用が多い。
仕事して、宿にチェックインするとそこは麦芽の香り漂う醸造所・・・。
なんともステキな話。
■Information
Brauhaus Ruetershoff
Schiller Str.33
44575 Castrop-Rauxel
▪️最終訪問 2010年8月
<参考> Castrop-Rauxelはこんな街
ルール工業地帯の最大の特徴は、味気ない街並みが多い事、しかし緑が多い事。
列車から眺める風景は、緑の中に煙突が建っている、という感じ。
Castrop-Rauxel(カシュトロップ-ラウクセル)はRecklinghausenというルール地方のひとつの郡に属している小都市で、人口は約75,000人。
隣接するDortmund(ドルトムント)をはじめ、Essen(エッセン)、Gelsenkirchen(ゲルゼンキルヒェン)など人口が多い街に囲まれているが、これらの街への通勤客も多く、ルール工業地帯のベットタウン的な街。
ピンバック: Hausbrauerei Boente / Recklinghausen | ビール文化研究所 / Das Bierkultur Institut