Naarden(ナールデン)はアムステルダムの南東約20kmのところにある都市。
その特徴は何といっても城壁。オランダに何ヶ所か残っている完全な形を残している星形城郭都市として有名な存在である。
実を言うと、これらの街の城壁部分は一般開放されており、現在ではカフェ、レストラン、イベントスペースといった店舗だけでなく、自治体や個人宅の物置といった使われ方もしている。
そしてこの街では、その城壁の一角に醸造所が存在している。
しかし、醸造所の入口を探しても見つからない。
醸造所に到達するには、まずは城壁下で営業する自転車屋を通り抜けなければならないのだ。
修理待ちの自転車が並んだトンネルを抜け、一旦外に出た先に見えるもう一つのトンネルが目指す醸造所Vesting Brouwerij Comeniusである。
(ちなみにVestingとは城郭を意味する)
写真左:自転車屋の看板
写真右:城壁を抜けるトンネルに並ぶ自転車
写真左:自転車屋とブルワリーの間にある緑地はビアガーデン。
写真右:城壁上部から。斜面を下って入るという手もある。
トンネル内はいくつかの部屋に分かれいる。
倉庫として使われていたと思われる小部屋の一つには小型の醸造設備が置かれていた。またそれに並んだいくつかの部屋は、少人数用の個室として使われていた。
さて、この醸造所の一番の特徴は営業時間が短いこと。笑
週に1日だけ醸造を行っているが、それも気まぐれらしい。
そして、天気の良い日に気が向いたら店を開けるという感じ。
この街を何度か訪れているので、その都度覗いてたら、たまたま醸造所のドアが開いているのを発見した。
ちょうど知人のパーティーか何かで臨時貸切営業をしていたようだ。(場所だけ貸してた感じ)
ビールは購入できたので、それを買って自宅で飲んだ。
写真左:店舗(?)内
写真右:購入したビール。チェコ系のピルスナーが代表作。
■Infomation■
Vesting Brouwerij Comenius
Vestingwerken 1C1,
1411 Naarden
営業時間が不安定・・・
<公式WEB>
最終訪問 2021年4月
<オランダの城郭都市>
オランダには城郭都市が点在している。
中世からの防塞都市として、そして近代でもアムステルダムをグルリと囲む様に「アムステルダム防塞線」が19世紀から20世紀にかけて作られた。
これは既存の城郭都市に加え、その間に小さな要塞を建造。有事の際には水を引き込み、大きな堀を作り出すことで首都陥落の最終防衛線とする構想である。
ただし、これらが完成と同時に戦争は空の時代に突入。結局この要塞群は使われることはなかった。
現在これらの要塞や城郭都市内の軍事倉庫などは一般開放され、様々な用途に使われている。
大きな要塞跡はイベントホールに、小さな倉庫などはレストランや一般店舗になっているところが多い。