日本でも人気がある1050年創業の修道院醸造所ヴェルテンブルク(KLosterbrauerei Weltenburg)。
ドイツに限らず、世界中に輸出されているビールであるが、このロケーションを期待してドイツ内外からの訪問客が多い。
ヴェルテンブルクの歴史は古く、617年にはその原型が誕生。それから400年くらい後の1050年に醸造所が開業している。日本では平安時代の真っ只中というなんだか気の遠くなるような話だ。
よく知られた話だが、修道院とビールというのは切っても切れない仲で、修道士の栄養源として、また巡礼者への食事の一部としてビールは重要な物だった。
レーゲンスブルクまで行き、そこでローカル線に乗り換え、そこから路線バスに乗り、さらに船でドナウ川を遡上して辿り着くヴェルテンブルク。
飲むために旅を楽しむビアタビストにとっては、まさに絶好の醸造所ともいえる。
(行き方は下に記載)
ちなみに、初めて訪問したのは1997年の第一回ビア旅の時で、レーゲンスブルクからドナウ川沿いをキコキコと自転車漕いでやってきた。
途中、道に逸れてなぜか遊歩道に入ってしまい、自転車を担いで登った・・・。
訪問した時は、とても天気の良い日だったので、ビアガーデンに席を取る。
ドイツ人はとにかく外が好きで、こういう日は「外は満席、中はガラガラ状態」になることが多い。
まず注文したビールは「Barock Dunkel(バロックデュンケル)」と呼ばれる濃厚な一杯。謳いとしては「世界で一番古いデュンケル」。
メニューを見ているとウェイトレスのオバさんが、
「ここへ来たらやはり名物はこれよ」
と薦めてくれたのはハクセだ。
バイエルンを旅していると、何度かお目にかかることがあるハクセは名物料理。大きな店ではグリルで一気にたくさん焼くこともあり、実は待ち時間の少ない料理のひとつとも言える。
禁欲的な修道士がハクセのような肉をガッツリ食べていたかは疑問だが、お勧めに反せず注文。ちなみにクヌーデルン(丸い団子)は観光地らしく一個だった。
現在では世界中に輸出されており、日本でも楽しむことができるビールだが、彼の地を訪問して飲むとこれまた一味違う。
列車、バス、船と乗り継いでやっと辿り着いた歴史ある修道院。
その空間でタイムスリップしながらビールを楽しむのは、ビア旅の極みと言えよう。
■Information■
Klosterbrauerei Weltenburg
Asamstr. 32
93309 Kelheim
3月〜10月は10時〜18時
11月〜2月は休業していることが多いので、確認が必要。
<公式WEBサイト>
(最終訪問 2013年9月)
<近くの醸造所>
Schneider Weissbräuhaus
Brauerei und Gasthof Frischeisen
■行き方■
修道院は人里離れた場所にあることが多いのだが、今日のヴェルテンブルクは観光地だけあってアクセス路がしっかりと確保されている。
ヴェルテンブルク修道院への玄関は、レーゲンスブルク(Regensburg)近郊の街ケールハイム(Kelhaim)。ここから船に乗って行くのが一般的な方法である。
ケールハイムの中心部には鉄道駅がないので、レーゲンスブルグから近郊のザール(Saar)まで列車で移動。そこからバスで「Wöhrdplatz」へ向かうと川と船が見える。
(バスはWöhrdplatz行が結構な本数出ている。運転手に「Wöhrdplatz?」と書いた紙を見せると良いかな)
船着場に置かれたキャンピングカーがチケット売り場で、ここで乗船券を買う。
ハイキングコースを歩く人のために片道券もある。
<船関係のWEBサイトはこちら>
船は川を上る形で進み、途中ドナウ川で一番川幅が狭い箇所などを通り過ぎる。
川沿いに見える道には、徒歩や自転車でヴェルテンブルクを目指す人がこちらに手を振ってくる。
写真左:岩をえぐるようにして作られた歩道兼自転車道。
写真右:時々気持ちの良さそうなビアガーデンが見える。
すれ違う船の乗客と手を振ったりしながら約40分ほどすると、行く先に白い塔が見えてくると乗客は一斉にカメラを向ける。
船はすぐ横に着けられる訳ではないので、ここから数百mを徒歩で向かう。
自転車を船に持ち込む人も多い。周辺にはサイクリングコースも準備されているので、行きか帰りのどちらかだけ船を使うのも一般的。
なお、帰りは川下りなので早い。
実はケールハイムの街から数キロ離れただけで、決して山の奥深くに隔離されているわけではないと判明。笑
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