「パンの時間」と言う名の軽食

640whead_essen

概論

南ドイツが誇る、ビアガーデンの食文化

brotzeitmenuBrotzeit(ブロートツァイト)とは、「パンの時間」という意味。バイエルン地方でよく見られるスタイルの食事で、多くの醸造所やビアガーデンのメニューリスト(Speizekarte)にも複数形で「Brotzeiten」と列記されている。

通常、飲食店は昼の時間の営業から夜の営業までの数時間を休むことが多い。しかし醸造所やビアガーデンのように、飲むためだけに来る客も多い店では、その時間帯も営業を続けている。
それほど料理の注文の入らない時間帯にも、料理人を控えておくのは非効率的である。しかし、たまには何か食べたいという人もい る。

そこで考え出されたのが切るだけで提供できる料理を皿の上に盛りつけるBrotzeit
チーズやハム、ソーセージなどを選ぶとパンが2~3切れ付き、量も値段も手頃。
そして、このBrotzeitは普通の料理の時間にも注文する事ができるので、ドイツ料理のもの凄い量に恐れをなしている人の強い味方である。

・・がフランケンあたりのブロートツァイトは値段がミュンヘンあたりのそれに比べ更に安いのに、なぜか量が倍近くある。

Presssack(プレースザック)

brotzeit001所長の好物でもある「Presssack(プレスザック)」。

ソーセージの一種で豚肉のいろんな部分と脂身が入ったもの。フランケン地方をはじめ南ドイツがメインに食べられている料理。

Rot(ロート=赤)とWeiss(ヴァイス=白)があり、一般的には一枚ずつ皿に盛られて来る。
赤い方が標準らしく、これは血入り。なかなか「血入り」と書くと「!」と思う人もいるかもしれないが、血入りの料理は世界中に結構ある。
ドイツ人でもRotの方はちょっと・・・と言う人も多い様で、たまに「Nur Weiss, Bitte(白だけにしてくれ)」と言う人もちらほら。

自家製のプレースザックを売りにしている店も多く、缶詰にして保存してある。

Musikと呼ばれるビネガーソースをかけて食べるのが一般的。

Wuerstsalat(ヴルストザラート)

wuerstブロートツァイトの基本は「切って盛る」。その基本を押さえたWuerstsalat(ソーセージサラダ)というのがあったので注文したら、こんなのが出てきた。

こんなのにもやはり「Musik」を掛けるのはフランケンのプライドか。

そのままでは日本の魚肉ソーセージの様な風味があったが、Musikを掛けるとこれが一気にドイツの味になるから不思議。
店によって盛られてくるソーセージは様々で、それらを比べてみるのも面白そう。

Leberwurst(レバーヴルスト)

leberwuerstLeberwurst(レバーソーセージ)を切った物とパン一切れ。

切ったまな板にそのまま載ってくることが多く、これも典型的なBraotzeit。
場合によってはバターが付いていることもあるが、基本的にはレバーのみで、これをナイフで延ばして食べる。
我々日本人が思う以上に、このレバーソーセージは浸透しており、おおよそどの家庭でもストックしてある様子。

最初の頃、パンに塗って食べるという事を知らず、そのままフォークで刺して口にポイと入れたら驚かれた。

金額的にもかなり安く、ちょっと小腹が空いている時なんかには、Good!

Eisbein(アイスバイン)

eisbeinEisbein(アイスバイン)と呼ばれる豚のスネ肉の塩漬け。

この料理はベルリン名物で知られる様に、一般的には大きな塊で出てくる。
しかし、ブロートツァイトとしては、この程度のスライスが出される。

ちなみに、これを注文した時には、かなり安い値段でフルサイズのアイスバインが出てくるのだと勘違いしており、注文後はわくわくしていた。しかし、出てきたのはこのサイズでガックリとなった。
まぁ、あの馬鹿デカイ物よりも、これくらいの大きさのほうが胃にも財布にもやさしくて良いと思う。

Brotzeitteller(ブロートツァイトテラー)

freudeneck_brotzeitいろいろあるブロートツァイトを一皿にまとめてあるのがこれ。
よって、何を食べようか迷った場合は、この一皿を注文すればなんとかなるという逸品。
「Hausgemacht」と書いているのは「自家製」の事。
どの店でも、その店の味というのが確立されているので、これで試すのも面白い。
基本的に載っているのはプレスザック、ピクルス、ハム、チーズなど。やはり「切って盛る」だけの食事。



「パンの時間」と言う名の軽食 への1件のコメント

  1. ピンバック: Brauerei Barnikel / Herrnsdorf (Frensdorf) | ビール文化研究所 / Das Bierkultur Institut

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください